美少女「山口明日奈」は、俺に特別な身体の秘密(ふたなり)を打ち明けてくれた。
それを知っても、彼女を好きだという気持ちに変わりはなく、
俺は彼女と付き合いだした。
今は、成績優秀な明日奈と同じ大学に行くため、必死に勉強している。
ちょっと怒った表情、風に揺れる髪、気が緩んだときに見せる柔らかな笑顔。
俺は彼女が大好きで、彼女は俺を好きでいてくれて。
俺にとって明日奈は特別な存在、最高のパートナーになれると思っていた……
夏休み、明日奈がド田舎の叔父さん宅に預けられるまでは――――――
夏休みの間、明日奈のご両親が海外に出張するらしく、彼女はその間
遠く離れた父親の実家……叔父さんの元に預けられることになった。
「どれだけ離れてても……私は裕樹が好きだから……絶対、好きだから」
そんな明日奈の言葉に励まされ、俺は笑顔で彼女を送り出した。
一ヶ月くらい、あっという間だと彼女に言って。
しかし―――
最初の内は毎日明日奈からあった連絡が、少しずつ減り始める。
だんだんと明日奈の態度が素っ気ないものになっていき、送られてくる
ビデオレターには叔父と村の男の影がちらつき始める……。
それを見る度、俺は胸のざわつきを気のせいだと言い聞かせて……。
早く、夏休みが終わって明日奈が帰ってくればいいのに、と願うのだった……。